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経済を忘れた道徳は寝言

道徳を忘れた経済は罪悪である。経済を忘れた道徳は寝言である。
二宮尊徳の言葉は、今の私たちの生活に深い示唆を与えてくれます。

厚生労働省によると介護職は
・賃金水準が低く
・離職率が高く
・事業者の経営状況も厳しく
・非正規非定期的短時間就労者の割合も高い
として、介護保険の報酬改定に向け分科会で検討をしているそうです。

また、小児科医減少
産科医減少に直面して
診療報酬の見直しも検討がされています。

介護保険や健康保険といった社会的支援制度がある
介護や医療ですら、人材の確保とサービスの質と継続的提供は
経済原理とは無縁ではありません。

さて、子ども・子育ての分野はどうでしょうか?
少子高齢化による人口構造の急激な変化によって
子育て支援・子どもの健全育成が社会的に注目を浴びるようになり
各自治体も、地域のニーズに対応できるようさまざまな施策を
展開し、一定のサービスは充足してきましたが
日本の社会保障費の70%は高齢者分野に分配され
子ども・子育て分野には4%が分配されている現状
には殆ど変化はありません。

「一定のサービスの充足」は、基礎的なサービスのことで
一人一人の要介護状態や病状に対応した決め細やかな
人間的な介護や医療が提供されることと同じようには
一人一人の子どもの成長や課題に向き合う人間的なサービスの提供
まだ行き届いていません。
(あなたは一律にオムツをあてがわれベッドに拘束された介護を望みますか?
子どもたちだって同じじゃないですか?)

介護職や小児科医・産科医の処遇改善と同様に
子ども・子育てをケアする職にも社会的に処遇改善の施策がなければ
将来を担う子どもの育成を、人々の「志」にたよるということになります。
冒頭の二宮尊徳の言葉をかりれば、現状の少子化対策は
まさに「寝言」同然なのです。

介護・医療・子育て、一人一人に向き合った人間的なサービスが
確立されていない明日の社会に、人々は安らぎを感じることができるでしょうか?
もし、そんな明日を変えたいと思うならば
今、そうした志をもって行動している人々をまず励ましてあげてほしいと思います。
納税や選挙をとおして
従来から私たちは間接的に公共活動に関わるすべを持っていましたが
直接的に民人(企業や市民)が公共活動に関わるすべはまだ模索中です。
(子どもたちは選挙権さえ持っていません)
だから一緒に「どうすれば」改善できるのか?を考えてほしいのです。

でもきっと、あなたの大切な家族や友人が
賃金水準が低く
離職率が高く
事業者の経営状況も厳しく
非正規非定期的短時間就労者の割合も高い
職業に就いたとしたら、

あなたは
「そんな報われない仕事はどうなの?」とか
「一体、将来はどうするの?」とか
「そんなことは余裕のある人がすることじゃないの?」とか
心底その人のことを心配して進言するはずです。
医療にしろ介護にしろ子ども・子育てにしろ、
一人一人に向き合う人間的なケアは、経済的効率からは最も遠い職業です。

しかし経済的効率と真逆のサービスは社会にとって不要なものなのでしょうか?
人間は愚かであり、また賢くもあります。
飽食の快楽を貪る一方で、ダイエットやメタボリック対策に余念がありません。
エネルギーを消費したいだけ消費する一方で、環境対策をと叫びます。
あなたが今享受していると思っている「豊かさ」や「安定」は
実は幻想なのかもしれません。
今、わたしたちが享受している「豊かさ」や「安定」は、
未来に、「乏しさ」や「不安定」をもたらしてはいないでしょうか?
人は未来への想像力を持った動物です。
その反対側にあることに、人は気づく賢さをもっているはずです。

日本の社会が高齢化のピークを迎えるのは
今ではなく、20年後のことなのです。
今、改善のために行動をしていなければ、
あなた自身が介護や医療や子育てのケアを必要としたときに
そのサービスは社会から無くなっているかもしれません。
それが、あなたの目指す未来なのでしょうか?

明日を変えるには、まず自分が変わるしかありません。
まず、私が、そして、あなたが、一人一人が変われば
必ず社会が変わる。社会の目が変われば
今、社会の片隅で誰からも注目を浴びずに
一人一人の人間と向き合いながら黙々と奮闘している人々に
光があたるようになるはずです。

道徳を忘れた経済は罪悪である。経済を忘れた道徳は寝言である。
未来を担う子ども・子育てのケアに関わる人々に、社会的な支援を!

まず、「私」が、そして、「あなた」が、一人一人が変われば必ず社会が変わる。
僕は、そう思うのです。
by no1kenpa | 2008-02-08 23:59 | 育児・教育


子育て、ちょっとヘコムこと、イライラすることだってありますよ。でも我が子に会えた「幸せ」さえ感じていれば、優しい自分に戻れるから。普通の現役パパを反面教師に、転ばぬ先の家族の杖にしてね。 


by no1kenpa

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